皆生ホテル「汐の湯」入口の隣、四季折々の海の眺めを堪能できるカウンター席があるお食事処。
ここで旬の魚介類を毎日仕入、調理する料理長を私、皆生ホテルのスタッフ米原がインタビューしてきました。
料理長 小谷氏の経歴
料理人になろうと思ったきっかけや経歴を教えてください。
きっかけは20歳頃、東京で生活費を稼ぐ為のエスニック料理店で厨房のアルバイトでした。
昔から料理をすることは嫌いじゃなかったので、2年位続き、社員になり、メニューの考案までするようになりました。そこで料理の楽しさを覚えましたね。
それから色々な人と人との繋がりに恵まれ、大山町のカフェレストラン「アロエカフェ」を一緒に立ち上げないかと誘われ、東京から米子へ引っ越しました。
23歳頃、当店のオーナーと知り合い、一緒に働いてはいませんが、とても親身に相談に乗ってくれたり、一緒に空き店舗を探してくれたりしました。
その時見つけた空き店舗で、『スパチュラ』という洋食店を5年間やっていました。
その後、スパチュラを後継者に譲り、故郷の西宮市に戻り、イタリアンの『クールブレ』で1年、また鳥取県に戻り、大山町のレストラン『BIKAI』で1年間修行し、洋食の腕を磨いていました。
その後、現オーナーがここ皆生ホテルで店を持つことになり、私を誘ってくれました。
和食なんて未経験の中、オーナーに和食をやるように言われ…。
今となってはやって良かったと思います。
自分のやりたいようにやってみろ
オーナーには「自分のやりたいようにやってみろ。危なくなったら助けに入る」と言われ、OPEN時から自分の思うようにやってきました。
まだ助けに来られてないので大丈夫みたいです(笑)
オーナーから和食についてのアドバイスや指示はあったんですか?
特に無かったです。「やりたいようにやってみろ」でしたから。
洋食はやめて和食だけするという選択肢は無かったんですか?
ただ普通に和食をやっても、2,30年ずっと和食をやってきた人には追い付けないので、今までの洋食の経験を活かしつつ和食をやってみようと思いました。
では逆に洋食だけしようとは思いませんでしたか?
場所もあると思うんですよね。ここに洋食屋があっても多分お客さんは来ないと思うんですよね。
ホテルっていうのもあって県外の方も多いし、地の物を食べたいだろうし。それが洋食だったらインパクトに欠けるというか。
魚食べたい人多くないですか?
多いですね。フロントでもよく聞かれます。
では和食は始めた時はどうでしたか。
簡単ではないですね。オープン当初は厳しい意見を沢山いただきました。
少しずつ修正していき、今ではリピーターの方でも満足していただけるようになりました。
和食に洋食の経験は活かされてますか?
活かされましたね。和食しかやってなかったら「和食はこう」という決まりきったことしか出来なかったと思います。
刺し身は醤油で食べる、煮付けはこうじゃないとダメみたいな。
和食の常識みたいな?
そうそう、そういう料理よりも自分が美味しいと思うものを美味しいように作るだけ。逆に和食をやるようになって洋食の腕も上がりました。
一番楽しいのは食材を仕入れる時一番楽しいのは食材を仕入れる時
すいません、ちなみに今、旬な魚介はなんですか?
今の時期、山陰はあまり目立ったものがないんですが、牡蠣・鯵(アジ)・イサキ・トビウオ・白いかですかね。鯵は6月が一番おいしいです。
牡蠣は生ですか?
生。生が嫌な人には蒸し牡蠣もしますね。
この仕事をしていて楽しいと感じる時は?
お客様に喜んで頂けるよう仕入れは毎朝自分で回り、旬な食材を中心に吟味しています。
例えば、鯵は釣りで捕ったのか網で捕れたのか。この違いだけでも全然違うんです。
網の中でお互いぶつかったりして身が弱くなってなり、うろこが剥がれてたりするんですよ。
それから、この食材をどう調理しようかと考えたり。
料理してる時より仕入れが一番楽しい。
自分が一番食べたいものを買うって感じですね。
「今日はあのお客さんの予約があるからこれを仕入れよう」とか。
「海が時化でいい魚が無い、大事なお客さんが来たらどうしよう」と。
気に入ったお酒を仕入れる為に車で1時間の所にある酒蔵まで行ったりもします。
お酒にも力を入れてるんですね。
常時7種類プラス旬の1種、計8種の日本酒をご用意しています。
自分が好きなのもあってゴリ押しです!
この時期のおすすめメニューを教えてください。(取材時6月下旬)
これから8月上旬位までは牡蠣がおすすめです。
価格は時価で、今日は1080円です。
もう1品何かおすすめあります?
にんにくオイル煮はいかがでしょうか。その時々の旬な素材を使います。
今日は『イサキと白イカのにんにくオイル煮』です。
調理するところを写真撮ってもいいですか?
いいですよ。どうぞ。
オーブンでパンにカリっと焦げ目が付く程度に焼きます。
魚介類と色鮮やかな野菜をにんにくオイルで煮ます。
完成です。
この料理なら赤ワイン!といきたいところですが、私としては「天穏」をおすすめします!
ありがとうございます。
こんな海の見えるカウンター席だと食事も一層美味しくなりますね。
そうですよね。天候によってですが、ここから50km離れた隠岐の島が見えることもあります。
晴れていれば見えるということでもないようです。天候と運ですね。
7月からはガーデン席でジンギスカン!
今日はどうもありがとうございました。
最後にこのインタビューを見てくださった方にメッセージをお願いします。
今年の夏も毎年恒例のジンギスカンを外のガーデン席でご用意します。 潮風を感じながらのジンギスカンは最高です! 是非一度お越し下さい。お待ちしております。